メンズ・ファッションの地獄 第一回

bengalさんのツイート

で「MEN'S FASHION HELL」という画像を見ました。

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  メンズのファッションブランドを、『神曲』に出てくる地獄図へ並べたものです。この図を、ファッション初心者には知らないブランドが多いし勉強もかねて、どんな並びか見てみることにしました。

 ちなみに、『神曲』を読んだことがない(Wikipediaの記述や『神曲』を解説されているブログ等を参照いたしました)、英語もわからない(I wakaranai Eigo.)、さらにファッション初心者という、裸状態のため、間違いや理解不足等あると思うのですが、そこは少しずつ改善できればと思っております。ではGO。

 地獄の門

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この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ

 まず最初は地獄の門。「VESTIBULE」は地獄前域とのことで、「無為に生きて善も悪もなさなかった亡者」が「地獄にも天国にも入ることを許されず、ここで蜂や虻に刺される」場所だそうです。いきなりですが、地獄だし。

 「BUDGETCORE」はbudgetが予算や格安の意味なので、あまり服にお金をかけていないイメージでしょうか。

 「VESTIBULE」期の「BUDGETCORE」ブランドは、「JCペニー」「TJマックス」「コールズ」「ターゲット」「ウォルマート」、続いて波々線に矢印がひかれ、「スリフト」「ビンテージ」が挙げられています。波々線は『神曲』の「アケローン川」を指し、これは冥府の渡し守カロンが亡者を地獄へ連行していく川だそうです。

 

 ・JCペニー

 ・TJマックス

 ・コールズ

 ・ターゲット

 ・ウォルマート

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ターゲットのサイトから

 いずれもアメリカの大規模小売店。日本で言うとイオンとか西友で服を買っている感じと思います。

 

 ・スリフト

 ・ビンテージ

 アメリカには、寄付として古着や家具を受け入れて格安で売る「スリフトショップ」と呼ばれるリサイクルショップがあります(利益は慈善活動に充てられる)。ビンテージもそのまま古着で、ブランド古着や30年代のヨーロッパ古着、ではなくリサイクルショップで安くスヌーピーのシャツ購入! みたいなノリでしょうか。

 

 イオンで服を買っているのが第一段階、リサイクルショップで安く服を探し出すのが第二段階で、実はそれがファッション地獄の入口だった! という流れは、日本でもリアリティを感じます。

 

第一圏 辺獄(リンボ)

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  続いて「辺獄」に入ります。「洗礼を受けなかった者が、呵責(かしゃく)こそないが希望もないまま永遠に時を過ごす」「美しいが憂いを帯びた」場所だそうです。

 ここではまず「ザ・モール」として、「アメリカン・イーグル」「アバクロンビー」「エアロポステール」「ホリスター」が挙げられ、続いてバツ印に「Jクルー」「GAP」「バナナ・リパブリック」「エクスプレス」「メイシーズ」「H&M」が登場します。バツ印は死者の行くべき地獄を割り当てる裁判官ミーノス(閻魔大王的な?)を指すものの様子。

 

 ・アメリカン・イーグル(・アウトフィッターズ)

 ・アバクロンビー(&フィッチ)

 ・エアロポステール

 ・ホリスター

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画像元(https://osaka1shop2channel.jp/blog-entry-920.html

 アメリカン・イーグル・アウトフィッターズはアメリカのカジュアルブランド(1977~)。ジーンズが有名で、日本でも表参道や池袋に旗艦店を置くなど多数出店していましたが、2019年に撤退しています。

 アバクロンビー&フィッチもアメリカのカジュアルブランド(1892~)(古い!)。調べると作家ヘミングウェイも愛用した男性向きの無骨なブランドだったのが、1988年にリミテッド社に買収されてからカジュアルチェーンに転換したとのこと。現在も日本に店舗があります。

 エアロポステールは聞き慣れない名前ですが、やはりアメリカのカジュアルブランド(1987~)で、他店同様に米ショッピングセンター内に多数出店しているようです。

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こんな感じ。アメリカの若者(ヤングマン)、着てそう!

 ホリスターは上記アバクロ社によって、2000年に創立されたブランド。ロゴマークはかもめでサーフスタイルのデザイン。日本にもいくつか店舗があり、南海の難波駅でロゴ入りの紙袋を持っているひとを見ました(だからなんなんだ)。

 

 低価格帯のカジュアル・ブランドという雰囲気が伺えます。日本のメンズファッションではライトオン、しまむらあたりが似ているかも。しまむらは「モール」には入ってないイメージですが。

 

 ・Jクルー

 ・GAP

 ・バナナ・リパブリック

 ・エクスプレス

 ・メイシーズ

 ・H&M

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画像元(https://toyokeizai.net/articles/-/32297

 H&Mを除きいずれもアメリカの有名ブランドです。

 これまでのブランドはどちらかというとカジュアルでしたが、Jクルー(1947~)は少しシンプルできれいめな感じ。日本でも90年代から店舗を構えていたものの、2008年に撤退しています。

 GAPは1969年に創立され、自ら製品を企画、生産、販売するという「SPA」を最初に提唱したすごい企業です。日本でも胸に「GAP」と書かれたスウェットや激安セールでおなじみ。

 そのGAPが1983年、買収し傘下に持つのがバナナ・リパブリック(1978~)。GAPより少しきれいめな印象で、日本でも各地に店舗があります。

 エクスプレスは日本未上陸ですが、アメリカでは600店舗以上を構えるブランド(1980~)。

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こんな感じ。結構格好良いです。

 メイシーズはニューヨークに本部をかまえる百貨店(1858~)。なんとなく、歴史ある百貨店がここにいるのがふしぎですが、店舗も500以上あるし、日本の百貨店とはちがうのかも?(近鉄百貨店と近商ストアが同じ名前で展開している感じ?)。公式サイトを見た感じでは、さまざまなブランドを扱っていることもあり、デザインの特徴、価格帯はいろいろでした(ファストファッションの価格帯の商品もあります)。

 最後のH&Mはスウェーデン発のファストファッションブランド(1947~)。店名はへネス・アンド・マウリッツから。日本初出店時には行列ができ、現在でも全国に出店中。グラフィックTやすっきりしたジャケットなどが目立つ印象です。

 

 第一圏、辺獄はお母さんの買ってくる服を脱して、おしゃれに興味を持った時期かもしれません。その中でも第一段階、第二段階のブランドで、しっかり分かれているというか、少し洋服好き度が上がっている様子を見ることができ、この図の細やかさを感じます。日本でも、そのままH&M、GAP、GUあたりの低価格ファストファッションブランドと被るのではないでしょうか。

 また、「洗礼を受けなかった者が、呵責こそないが希望もないまま永遠に時を過ごす」のが辺獄だと思い出すと、実際ここにずっといればファッションの泥沼に嵌まらずにおしゃれを楽しめる気もして、ちょっと複雑です。

 

続きます。